オウム真理教が起こした松本サリン事件から20年が経ちました。松本サリン事件では8人が死亡し、140人以上が被害を受けました。当時、松本市にあった教団支部の土地の明け渡しを求め、住民が教団と裁判で争っていて、それを妨害するねらいがあったとされています。このとき第一発見者だった河野義行さんが、ずっと警察から犯人扱いされてマークされていました。6年前にサリンによる被害で脳に重い障害を抱え、寝たきりの状態だった奥さんを亡くしました。現在、鹿児島に移り住んだ河野さんがオウム真理教についてこう言っています。
「神秘体験や超能力などに興味のあった若者が集まり、反社会的なことも組織の中では正義で、それをやることが大事なことのようになり、暴走して歯止めがかからなくなってしまったと思います。」
私は河野さんの言葉を聞きながら、現在キリスト教世界で異端と呼ばれている人々も同じだと思いました。彼らも異言や預言という神秘体験を求め、奇跡や癒しという超能力を求めています。求める対象はイエス様です。しかし、そうした人々にとって求める対象が奇跡や癒しとなっているように思えます。私たちの教会も癒しや奇跡を祈ります。でもそれを対象とはしません。求める対象はイエス様。癒しや奇跡はイエス様を求めて起こった結果だと考えています。