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5つのパンと2匹の魚

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拾った本を読んでいくうちに

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 この聖書は、日本聖書協会が四福音書の分冊を全国に配ったことがありまして、石川県の村々にも、届けられたのです。でも、皆恐がって、『タタリがあるといけないから、神棚にでも上げて置け!』と、読みもしないで神棚に上げてある家が多かったそうです。ところが、その年の夏ごろ、小松市を流れる梯川(かけはしがわ)が氾濫し、田畑が流され、人家が壊れ、その上伝染病が蔓延して住民は大ピンチに陥りました。そこで、これは何かの崇りであろう、と一種の恐怖心にかられている時、誰言うともなく、『ヤソの本を家に置いてあるから、そのタタリだ!』という風評が立ちました。そこで、村人は大騒ぎで、聖書の分冊を一カ所に集めて焼いたり、石油箱に詰めて湖の一番深い所に沈めたりしました。

 その湖の底に捨てた本の二冊が、この方角定次郎青年の網にかかったのでした!―――沢山のワカサギが獲れて、肝をつぶした方角青年は、拾った本を読んでいくうちに、ぶるぶると震えだしました。それは何年か前に村中をさわがせたヤソの本だということが分ったからです。家族に隠れてその本を読んでいくうちに、何かしらぐいぐいと引きつけられるものがありました。

 その時、『小松の本居町に毎晩ヤソ気狂いが出る、石油箱の上に上がって下らん世迷言を言うている』というウワサを聞いて、方角青年は、毎晩こっそり家を出て、10キロの道を歩き、路傍伝道者の説教を聞きに通いつめたのでした。彼は、頭からマントをかぶり、10日間かけて恐る恐る、少しずつ少しずつ伝道師の傍に近寄って行きました。伝道師は、初め、刑事か何かが遠くから覗っているのかと、不審に思ったそうです。ところが、それは求道者の方角(ほうがい)定次郎青年だったのです。方角青年はその伝道師の導きによって救われ、伝道者にとっても、かけがえのない路傍伝道の初穂となりました。方角青年は、小松教会を築き上げる中心人物となって、信仰のよき証し人となったのでした。
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by carbondalle1996 | 2014-10-04 07:10 | 日記 | Comments(0)
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