それから、イエスが家で食事の席についておられた時のことである。多くの取税人や罪人たちがきて、イエスや弟子たちと共にその席に着いていた。(マタイ9章10節)
イエス様は当時ユダヤ人社会から村八分にされ、罪人とさげすまれていたマタイの家に入り一緒に食事の席に着きました。食事の席に着くと聞くと、私たちはそこにテーブルがあって、中央の椅子に主賓であるイエス様が座り、イエス様の周りに弟子たちと収税人たちが座っている光景を思い浮かべると思います。テーブルの上にはたくさんの料理があり、それぞれがお皿に好きなものを箸やフォークで取って食べる。そのような光景を想い浮かべるのではないでしょうか。
しかしここで使われている食事の席に着くというギリシア語は、「横たわる」という動詞です。当時のユダヤ人は椅子に座って食べませんでした。それはヨーロッパ式です。ユダヤ人の正式な食べ方は、横になって左肘をついて、右手で料理を取って食べました。これが正式な当時のユダヤ人の食べ方でした。私たちがこのように寝ながら食べたら行儀が悪いと叱られてしまいますが、当時のユダヤ人の間ではこれが正式な食事方法でした。
私が小学生の時代に「しかと」という遊びが流行りました。いじめっ子から「あの子をしかとしろ」と命令されると、同級生はみなその子と口を聞いてはいけません。あるときクラスのAくんがクラス中の男子からしかとされました。昼食時に男子はみんなで机を整えて一緒に食事をします。しかし、Aくんだけは一人で食事をしました。彼と一緒に食事をする人がいません。そこに同級生の女の子が来て、「Aくん一緒に食事をしよう」と声をかけました。
あなたには一緒に食事をする友はおられますか?マタイには罪人と呼ばれた取税人仲間しかおりませんでした。誰も進んで彼と共に食事をしたいと願う人はいませんでした。彼は孤独でした。しかし、そのようなマタイに神様は進んで友達となり、一緒に食事をしてくださいました。神様は決してあなたを一人にはしません。あなたを愛して止まない神様は、あなたをたずねて探し出し、共に喜びの宴で食事をしてくださります。神はあなたを愛しています。この神様の愛に応える者となりましょう。