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パスカルの回心

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 パスカルとはどんな人だったのでしょうか。私たちは数学や物理学でパスカルの定理などを学んだ経験があります。パスカルはいろいろな物理学の定理や法則を発見しました。一番私たちに理解しやすい法則として、三角形の内角の和は180度であるというもの。この法則をパスカルは10歳にならない少年の時に発見したと言いますから、パスカルがいかに天才であったかがわかります。彼はその才能から当時のフランスの上流社会や社交界にデビューします。

 しかし、28歳の時に転機が訪れました。最愛の父が亡くなり、姉が結婚し、妹は修道院へ入ります。今まで家族に支えられて生きて来たパスカルが一人ぼっちになってしまいました。フランス社交界での華やかな生活も彼にとってはなぐさめになりませんでした。こうして世捨て人のようになってしまったパスカルは、修道院に入った妹の下へゆきます。そのときのパスカルの状態を妹はこう書いています。

 自分は現世に深い嫌悪を感じている。しかし、自分は神に全く見離されており、神の方からの招きを何も感じない。全力をつくして神に向おうとするが、自分を最善のものに向わせる力は、自らの理性と精神であって、神の霊の働きではない。自分のまわりのものに執着のなくなった今、もし以前と同じように神を感じることができるなら、どのようなことも可能なのだが。」

 パスカルに回心という現象が起ったのは、兄妹の間にこうした問答がかわされてから二ヵ月たった11月23日の夜十時半頃であった。この回心については、その体験を記した「覚え書き」はパスカル死後、召し使いが彼の胴衣の裏に厚くなっているところがあるのを見つけて、不思議に思ってほどいた所、故人自筆の羊皮紙と紙片各一枚が折りたたまれて入っていたものである。羊皮紙は紙片の清書であった。彼が自分の決定的回心の体験を常に思い起こすために縫いこんであったものである。彼の死後、胴着に縫い込んだ羊皮紙のメモが発見されなければ、誰も知ることがなく終った筈である。

一六五四年 十一月二三日 月曜日、
・・・夜十時半頃から十二時頃まで。
   火
「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」
哲学者や、学者の神ではない。  
確実、確実、感情、歓喜、平和、  
イエス・キリストの神。
「わたしの神、またあなたがたの神。」
「あなたの神は、わたしの神です。」  
この世も、何もかも忘れてしまう、神のほかには。
神は福音書に教えられた道によってしか、
見いだすことができない。  

 パスカルは咄嗟に火の正体が神ご自身であることを理解したようです。つまりパスカルはこの日、聖霊の火の体験をしました。この状態が夜10時半頃から12時頃まで1時間半ほど続いたようです。そしてパスカルは「確実、確実、感情、歓喜、平和」という単語を羊皮紙に書き綴りました。パスカルはこの聖霊体験の後に修道院に入り、信徒として訓練を受けました。それからは今まで以上に熱心な信仰生活を送りキリスト教弁証論などを書いています。そして39歳の若さで天国へ帰りました。

 病床のパスカルはいつも頭の中で考えていたことは神様だったのです。パスカルが「人間は一本の葦にすぎない。自然の中でいちばん弱いものだ。だが、それは考える葦である」と書いた背景には、パスカル自身のそのような体験があったのです。
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by carbondalle1996 | 2015-03-28 19:32 | 日記 | Comments(0)
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