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5つのパンと2匹の魚

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天国を見出したなら

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 二つの譬え話に共通していること、それは、「宝」を手に入れるために、「持ち物を全部売り払った」ことです。「自分の財産全てを投げ打った」ということです。畑を耕していた小作人はその宝を自分のものとするために全財産を売って畑を購入しました。真珠の商人は高価な真珠を見つけると持物をみな売り払ってその真珠を購入しました。イエス様は天国とはそういうものだとおっしゃったのです。人は天国を見出したなら、自分の全財産を売り払って購入するほど価値のあるものだと言うのです。

 幕末の動乱期、日本に来ていたフルベッキというオランダ人宣教師がおりました。ある日、フルベッキの所に、日本人のお侍さんが「聖書を教えて欲しい」ってやって来ました。その人は村田綾部という人で佐賀藩の人でした。話を聞くと佐賀藩の家老をしていた村田若狭守正矩(わかさのかみまさのり)という人の代わりに聖書を学びに来たということがわかりました。

 フルベッキ宣教師は「佐賀藩の家老ともあろう人が、なんでまた・・・」と思いましたが、実は、彼の家来がある日、長崎港でイギリス船の上陸を審査したとき、海で小さな包みを見つけて拾って来ました。中を開いてみたら、なんと英語の聖書が出て来ました。

 英語を読めなかった村田若狭守は、書かれていることが全然分かりませんでした。ですが、その聖書という不思議な書物に心奪われた村田若狭守は、中国語の聖書を取り寄せたりして一生懸命に探求したんです。そんな折、「長崎にフルベッキという宣教師がいる」という噂を聞いた若狭守は、自らは家老職のため自由に動くことができないため、弟の村田綾部を使いを送って、「ぜひとも、聖書を教えて欲しい」と懇願したのです。

 村田若狭守はそれ以後4年間に渡って弟の村田綾部を介してフルベッキから聖書を教えてもらいました。そしてついに村田若狭守はフルベッキのもとをたずねて、目を輝かせながら、こう切り出しました。「久しく心の中で、あなたを知り、あなたと相語ることを願っていました」。面談も終わりに近づいた頃、村田若狭守は「洗礼を受けたい」と申し出てフルベッキを驚かせました。洗礼を受ければ、地位も財産も失い、近親者にも過酷な迫害が及ぶこと、必定であったからです。

 フルベッキ宣教師は、政矩の置かれている立場に配慮して再考を促しました。ところが村田若狭守は、必死に食い下がり、翌週5月20日ペンテコステの日に、弟の村田綾部と共にフルベッキの自宅で洗礼を受けました。明治維新より2年前のことです。もちろん、まだまだキリスト教はご法度で、家老がキリスト教に入信したら、どんな刑罰を受けるかわからないという時代でした。しかし、佐賀藩のお殿様は非常に理解のある人で、家老を辞めさせて隠居させることで事を治めてくれたのです。
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by carbondalle1996 | 2015-05-20 06:35 | 日記 | Comments(0)
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