イエスは答えて言われた、「子供たちのパンを取って小犬に投げてやるのは、よろしくない」。(マタイ15:26)
ここでイエス様は初めてこの女性に対して答えています。それも比喩的な言葉で答えました。「子供たち」というのは誰のことでしょうか。ユダヤ人です。そして「小犬」とは誰でしょうか。異邦人です。ユダヤ人に与えるべき祝福を異邦人に与えるのはよくないとイエス様は言いました。当時のユダヤ人は異邦人を「犬」と呼びました。日本語にも「犬」を使った蔑称があります。「犬畜生」とか「かませ犬」また女性に対して「あのメス犬」。ユダヤ人も蔑称として異邦人を蔑んで「犬」と呼びました。
それではイエス様も異邦人を蔑んで、この女性を「犬」と呼んだのでしょうか。実はユダヤ人が異邦人を呼ぶ時の「犬」とはギリシア語でクオンという言葉で、これは「野犬、野良犬」を意味します。しかしこのときイエス様が使った言葉は、クナリオンというギリシア語でこれは家で飼っている犬。ドルチェのように家で大事に育てられているペットです。ですからイエス様は異邦人を蔑んだのではないということです。
どうしてイエス様はこのような比喩的な言い方をされたかというと、女性の信仰を引き出すためです。癒しを受けるには信仰が受け皿となりますから、ここでイエス様は彼女の信仰を引き出そうとしています。あなたはイエス様から救いの奇跡を受けるだけの信仰はありますか?あなたの信仰が奇跡を受ける受け皿となります。