イエスはそこを去って、ガリラヤの海べに行き、それから山に登ってそこにすわられた。(マタイ15:29)
イエス様はガリラヤ伝道からしばらく退いてツロとシドンの地方に弟子たちと退きました。そこは今のレバノンで当時はフェニキヤと呼ばれていました。レバノンは秋田県と同じくらいの広さで秋田と同じ杉の産地で有名だというお話をしました。私たちは家を建てるときに秋田杉を使いますが、ソロモン王も神殿を建てるときにレベノン杉の中で最も高価なレバノンの香柏をフェニキヤ王に願い求め、神殿を建てました。
マルコ福音書には、イエス様はその後ツロの地方を去り、シドンを経てデカポリス地方を通りぬけ、ガリラヤの海辺に来られたとあります。デカポリスというのはギリシア語で10の都市という意味です。デカが10という意味で、ポリスは都市。ですからこの地方は10の都市が同盟を結んだ形の国で、イエス様の時代はローマ帝国の支配下に置かれていました。
10の町は、ガダラ、カナタ、ゲラサ、スキトポリス、ダマスコ、ディオン、ヒッポス、フィラデルフィア、ペラ、ラファナの町。これらは、アレクサンドロス大王の後継者たちによって建てられ、うちダマスコだけは北方に離れて位置し、ヘレニズム以前からの古い歴史を持ちました。