先週のASEAN外相会談で日本の河野外務大臣がデビュー。中国の王毅外相から「率直に言って失望した」と言われると、「中国は経済的に発展してゆく中で、大国としてのふるまい方を身につけてもらう必要がある」と返したというから驚いた。歴代の日本の外相だったら、苦笑して終わっていただろう。中国のGDPは日本を抜いて世界第2位の経済大国にまで成長。しかしその一方で、東シナ海で油田を勝手に採掘したり、南シナ海で人工島を建設するなど近隣諸国とトラブルが絶えない。経済力と軍事力をもって小国を威嚇し、従えさせようとする姿に疑問をもつ。さて、大国として求められるふるまい方とはどんなふるまい方だろうか?
中国には古くから「王道と覇道」という2つの政道の考えがある。王道とは仁愛によって民心を帰服し統治する政道。覇道とは武力によって他国を圧倒し、国民を力によって統治する政道。王道が仁と徳を政治の原理と考えるのに対し、覇道は利と力を原理と考える。戦国時代の儒者である孟子は王道こそ天下統治の政道と説いた。孟子が生きていたら今日の中国をいったいどう見るだろうか。河野外相が孟子の教えを理解した上で、王毅外相に「大国としてのふるまい」を迫ったと考えるのは深読みが過ぎだろうか。
昨年の訪日客は過去最高の2400万人を超えた。中でも中国人は600万人を超えてトップ。あるウエブサイトでは中国人客が日本滞在中に感動した体験が紹介されています。例えば、電車に乗るときは降りる乗客が優先され、横断歩道では車より歩行者が優先される。また日本人がゴミを捨てずに家に持って帰る姿や、ゴミを分別して出す姿。また旅館やお店、役所などでの接客サービス。そのどれもが日本では当たり前の光景。こうした行動の根底にあるのは「相手を思いやる心」。中国人はそのような日本の思いやり文化に触れて感動するのだそうです。
聖書は私たちに「大国としてのふるまいを身につけなさい」とは書いておりませんが、「言葉にも、行状にも、愛にも、信仰にも、純潔にも、人々の模範となりなさい」、「あなた自身を良いわざの模範として示しなさい」と教えています。あなたは家庭で、職場で、近所で良い模範となっていますか。19世紀の伝道者D. L. ムーディーは「100人のうち1人が聖書を読み、残りの99人はクリスチャンを読む」と言いました。私たちクリスチャンはみんなキリストの手紙です。私は最近このことに気づかされ、毎朝このように祈っています。「神様、私の心を守って、私に平安を与えてください。今日一日を笑顔で過ごせますように。」 ハレルヤ。