イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである』と書いてある」。(マタイ4章4節)
サタンは新しい王に神の子としての地位を取らせようとイエス様を試みました。しかしイエス様は「人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである」という申命記8章3節のみことばをもってサタンを退けました。イエス様はこの申命記のみことばによって、「人は」と答え、イエス様が人の地位に立って敵を取り扱われたことを示されました。このときイエス様はサタンにこう言われたかのようでした。
「サタンよ、神の子としての地位を取るようわたしを試みてはならない。わたしはここに人としているのだ。もしわたしが神の子だけであったなら、決してここにいることはできないし、決してお前に試みられることもない。しかし、わたしは人であるので、試みられているのだ。サタンよ、おまえは神の子を恐れないが、人を恐れることをわたしは知っている。第一の人、アダムはおまえを打ち破り、神の目的を達成するために創造されたが、おまえによって打ち破られた。そこで神はおまえを打ち破るために、わたしを第二のアダムとして遣わされた。今おまえはわたしを試みて、人としての地位を離れて神の子の地位を取らせようと誘惑している。しかしサタンよ、わたしは人としてここに立っているのだ。」
イエス様が悪霊につかれた人から悪霊を追い出したとき、悪霊はみなイエス様を「神の子よ」と叫びました。悪霊は決してイエス様を人として告白しません。彼らはイエス様を神の子であることに同意しますが、人の子とは同意しません。なぜなら、そうするなら、悪霊どもは打ち破られるからです。悪霊どもを対処することで、イエス様は人の子です。そして私たち罪人を救うことで、イエス様は神の子です。私たちはイエス様を神の子として信じるときに救われます。しかし、もし悪霊どもがイエス様を人の子として認めるならば、彼らは打ち破られます。ですからイエス様はサタンを打ち破るために人としての強い立場を取られました。この最初のテストでイエス様が人としての立場を取られたので、サタンは打ち破られました。
イエス様が十字架に掛かったときを思い出してください。多くの人々はイエス様に向かって「お前が神の子ならば今すぐ降りてみろ。そうしたら信じてやる」とイエス様を侮辱しました。当然こうした人々の背後に働いてそのように言わせていたのはサタンです。サタンはイエス様が人として十字架に掛かることを恐れていました。ですから十字架上でまるで荒野での誘惑のごとく「神の子なら降りてみろ」と罵ったのです。しかし、イエス様は十字架においても神の子としての立場は取らず、人としての立場を取られました。この結果、十字架の贖いは成就しサタンは打ち破られたのです。
「神の子」であるのに「人の子」としての立場を捨てなかったイエス様。それは私たちの罪を背負い、十字架に掛かり、サタンのわざを打ち滅ぼすためでした。このお方に従い今日も歩んで行きましょう。主は勝利を取られました!