そこで弟子たちはみそばに寄ってきてイエスを起し、「主よ、お助けください、わたしたちは死にそうです」と言った。(マタイ8章25節)
弟子たちは漁師という舟のプロでした。子供の頃からガリラヤ湖で漁をして育ったのがペテロやヤコブ、ヨハネです。それに対してイエス様は大工です。舟につては素人です。この場面では、舟のプロである弟子たちが、舟の素人であるイエス様に助けてくださいと願い出ました。どんな気持ちでこのとき弟子たちはイエス様に「助けてください」と言ったのでしょうか。
ちいろば先生で有名な榎本保郎先生は、戦前に淡路島で小学校の教師をしていました。あるとき仕事で校長先生と一緒に舟に乗りました。船頭と校長先生と榎本先生の3人が乗る小さな舟で海を渡って向こう岸へ行こうとした所、突然嵐となり舟が波に飲み込まれて沈みそうになったそうです。そのとき校長先生は榎本先生にこう叫んだそうです。「榎本くん、なんでもいいから神様に祈りなさい」。それを聞いた榎本先生は校長先生に「どこの神様に祈りましょうか」と尋ねたそうです。すると校長先生は、「そんなもん、どこの神様でもいいから早く祈れ」と怒られたそうです。榎本先生はこの経験から、人はたとい神様を信じていなくても、いざというときには神様に助けを求める者だと学んだそうです。
私たちは「どこぞの神様」ではなく、天地万物を創造された神様を知り、祈るべき神様を知っているというのは、それもまた恵みであると思います。あなたは人生で行き詰まりを覚えたとき、あなたの舟が沈みそうなとき、どんな神様の名を呼びますか?大きな神社の神様ですか?それとも近所の小さな神社の神様ですか?それらの神々はあなたを助けることができますか?あなたを滅びから救いだしてくださる神様はただお一人です。そのお方こそイエス・キリストです。「主よ、お助けください。」