レメクはその妻たちに言った、「アダとチラよ、わたしの声を聞け、レメクの妻たちよ、わたしの言葉に耳を傾けよ。わたしは受ける傷のために、人を殺し、受ける打ち傷のために、わたしは若者を殺す。カインのための復讐が七倍ならば、レメクのための復讐は七十七倍」。(創世記4:23-24)
アダムとエバが罪を犯し、その子のカインが嫉妬に駆られて弟のアベルを殺しました。しかし神は、カインがアベルを殺した復讐から、人殺しがますます広まることを恐れて、誰もカインに復讐してはならない。カインを殺す者は、誰であれ七倍の復讐を神の手から受けるであろうと宣言されました。詰まり神様は、人間に対して一切の復讐を禁じられました。これは神様が地上に平和を望まれたからです。
ところがそれを逆手にとって、カインから7代目の暴れん坊レメクは、「カインのための復讐が七倍ならば、レメクのための復讐は七十七倍」だと宣言し、自分は神以上の存在だと示し、自分に刃向かう者は77倍の復讐を受けると豪語したのです。ですから、そういう聖句があることを主イエスは当然ご存じですから、「7を70倍するまで赦せ」、と仰ったものと考えられます。だとすると、それはあの、レメクの「復讐の歌」を完全に打ち消すためのお言葉だったと言えます。