1912年に北大西洋で沈没したタイタニック号の首席奏者ウォレス・ハートリーのヴァイオリンが、先週英国内でオークションにかけられ、約1億4200万円で落札されました。100年以上の昔に作られ、一度海に沈んでしまったヴァイオリン。落札者はこのヴァイオリンの価値をどのように評価したのでしょうか。
この年の4月、ハートリーはタイタニック号の首席奏者の仕事を与えられましたが、プロポーズしたばかりだった婚約者のマリア・ロビンソンを残していくことを躊躇しました。しかし、タイタニック号が与える将来への可能性を広げようと、彼はこの仕事への参加を承諾しました。タイタニック号が氷山に衝突して沈み始めた後、ハートリーと楽団の仲間は、乗客が落ち着いて救命艇に誘導されるようにとラグタイムの曲目を演奏しました。彼らは沈没の最後まで演奏し続け、生き残ることはできませんでした。そんなハートリーと彼の仲間たちが最後に演奏した曲は、讃美歌320番「主よみもとに近づかん」だったと言われています。これはハートリーの愛唱歌でした。
ウォレス・ハートリーの遺体は、事故の2週間後にマッケイ・ベネット号によって引き上げられ、身元が確認されました。驚いたことに遺体が引き上げられた際に彼のヴァイオリンは、彼の身体にしっかりと結びつけた状態で発見されました。ハートリーが死ぬまで離さなかったこのヴァイオリンこそ、彼の婚約者であるマリア・ロビンソンがハートリーにプレゼントしたものでした。 タイタニック号の楽団首席奏者ウォレス・ハートリーの葬儀には1000人が出席し、40000人の人々が彼の葬列を見送ったといいます。
落札した英国の収集家にとって、このヴァイオリンはお金では計ることができない価値がありました。実は神様もこの収集家と同じ気持ちで私たちを見ておられます。私たちの価値は決してお金では計ることはできません。値段をつけられない存在です。ですから神様ご自身が十字架に架かり、ご自身の命という値段を払って私たちを買い取ってくださったのです。これ以上の値段があるでしょうか。私たちの価値は神様の命と等しいと神様が見てくださったのです。ここに神様の愛があります。神様はあなたを愛しています。
“わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。”(イザヤ書43章4節)