横浜カルバリーチャペルの武井先生のコラムを紹介します。
2020年の東京オリンピックが決まりました。そのことについては特別に感懐はありませんが、私はIOC総会における佐藤真海さんのプレゼンテーションのスピーチには感動しました。佐藤真海さんは陸上競技の選手でもあり、水泳もしていたといいます。また、早稲田大学でチアリーダーもしていたという経歴の持ち主です。
ところが、突然19歳(大学2年)の時に、骨肉種という難病に取りつかれ、片足を切断しなければならなかったというのです。それは絶望のどん底に突き落とされた最悪の経験だったと思います。しかし、真海さんは、失ったものよりも、今自分が持っているものの方が大切だ、と悟ったというのです。そしてアテネと北京のパラリンピック大会に出場して活躍しました。そこで、スポーツの力に感動させられたそうです。彼女は主に走り幅跳を得意としており、日本記録とアジア記録保持者でもあります。
彼女は次の2012年のロンドンオリンピックも楽しみにしていました。ところが、2011年3月11日、津波が彼女の故郷、宮城県気仙沼市を襲い、自宅も被害に遭ったのでした。6日間もの間、実家の方々の安否が確認できなかったそうです。そしてやっと家族を見つけ出したとき、実感したことは、自分の個人的な幸せなど国民の深い悲しみに比べれば取るに足りない、ということだったというのです。
彼女の言葉です。「私はいろいろなメッセージを集めて故郷に持ち帰り、私自身の経験を人々に話しました。食料も持って行きました。他のアスリートたちも同じことをしました。私たちは一緒になってスポーツ活動を準備して、自信を取り戻すお手伝いをしました。そのとき初めて、私はスポーツの真の力を目の当たりにしたのです。」
真海さんは、明るい笑顔をもって、心を込めてスポーツがどんなに人々を力づけ、立ち上がる勇気を与えたかをオリンピック委員会総会の場で語ったのです。また、テレビのインタヴュアーが真海さんの友人に、「真海さんって、どんな方ですか?」と質問したとき、その友人がこう答えたのです。「明るい人です。そして、≪神様は耐えられないような試練をお与えにならない≫と、いつも言っている人です。」これはご存知のように、「コリント人への第一の手紙」10:13の次のみ言葉の一部です。「あなたがたの会った試錬で、世の常でないものはない。神は真実である。あなたがたを耐えられないような試錬に会わせることはないばかりか、試錬と同時に、それに耐えられるように、のがれる道も備えて下さるのである。」
真海さんがクリスチャンなのかどうかはわかりません。しかし、この聖書の言葉が彼女に試練を乗り越える力を与えたことは確かです。『やはり神の言葉には、力がある!』 と確信しました。
ハレルヤ!